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第9回テツドクレポートと次回のご案内


第9回目の読書会には全7名の参加となりました。

第9回テツドク 『愛するということ 新訳版』エーリッヒ・フロム著 【日時】2017年7月22日(土)19~21時 【場所】アンティークと雑貨の店 Tetugakuya(香川県仲多度郡多度津町東浜2−22) 【テーマ】『愛するということ』エーリッヒ・フロム著 【主催者】Tetugakuya 【参加費】500円(ワンドリンクがつきます)

【テツドクの概要】  テキスト第4章の中の部分的な範囲を、一段落ずつ参加者が輪読し、その後疑問などを出し合って話合った。特に、4章の中で、「ナルシシズムと客観(p.175-)」と「信念(p.180-)」について着目し、話し合いました。  このレポートでは、「信念」についての議論は割愛させていただきます。

フロムは、ナルシシズムと客観を対極の関係をみなしています。そこで、フロムがここで述べようとしている「ナルシシズム」の意味の解釈を巡って議論になりました。

愛を達成するための基本条件は、ナルシシズムの克服である。ナルシシズム傾向の強い人は、自分の内に存在するものだけを現実として経験する。外界の現象はそれ自体では意味をもたず、自分にとって有益か危険かという観点からのみ経験されるのだ。

 ナルシシズムの反対の極にあるのが客観性である。これは、人間や事物をありのままに見て、その客観的なイメージを、自分の欲望と恐怖によってつくりあげたイメージとを区別する能力である。(p.175-176)

 手元の本をめくり前のページを参考にしながら、フロムが「ナルシシズム」をどのような意味で語っているのかを探りました。「自己愛(P.92)」の項目で、ナルシシズムが利己主義や自己愛と同じような意味で語られていることも指摘されました。そこから、「ナルシシズム」

は、あるものが自分にとって有益かどうかという観点から世界を見ているということがわかります。  ここで参加者から寄せられた意見の中で一部をご紹介します。

「人間は、客観性だけではつまらない。ナルシシズムの中にも面白さがあるのではないか」

「フロムはナルシシズムに対して否定的だが、誰もが自分のナルシシズムな見方を持っており、それと客観的な見方とを区別できるようにあることが愛の基本条件だと考えているのではないか。」

「本人が客観的だと思っていても、それが本当に客観的だと言えるのか」

「自分の物の見方が、自分よがり(ナルシシズム)になっていないだろうか?と注意深く自分に問いかけるしかないのではないか。」

 

 今回で、少し急ぎ足ではありましたが、『愛するということ』フロム著の読書会を終了いたします。  次回8月は26日(土)19時からの哲学カフェのテーマを募集中です。facebookのコメント欄や、twitter、メールなど何処からでも受け付けます。提案するテーマは簡潔にお願いします。その中から主催者が準備できそうなものを選び、当日1週間前までに決定したテーマをお知らせします。複数のテーマや「問い」が寄せられた場合、今後の哲学カフェのテーマに活かせるように参考にさせていただきます。※全ての提案が必ず採用されるわけではありません。 日時:8月26日(土)19:00~21:00 参加費:500円(ワンドリンク) お願い:「哲学カフェの手引き」を前もってお読みください。 寄せられたテーマの中から、当日、対話を行います。テーマを議論する上で、参考になりそうなものがあれば、プリントで用意いたします。哲学について詳しくない方でも参加できます。

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