1867年に印刷された、J.Jグランヴィルの『花の幻想』の1ページです。
手彩色リトグラフだと思われます。
水色花びらの美しい亜麻、パラソルを持ってお出かけでしょうか。
フランスに生まれたJJグランヴィル(1803ー1843)。
芸術性が優れユーモアに長けた風刺画で人気を博しました。不思議の国のアリスの世界の挿絵で有名なジョン・テニエルを含め多くの挿絵画家に影響を与えたようです。
後年は、精神の変調を伴い、同時に、体制批判の風刺画からより幻想的で夢想的な作風が強くなりました。その頃の代表作として、「花の幻想」があります。ご覧のとおり擬人化が彼の得意とするところです。美しい花々の個性あふれる人物像が垣間見えます。
しかし、彼の夢想を極めた世界観は、その当時において高い評価を得ることがなかったようで、最後は、精神病院で死去したそうです。
現代になって随分再評価されているようで、骨董としての価値も上がってきています。
J.J.グランヴィル「花の幻想」ダリア
¥5,000価格
国:フランス
年代:1867年
サイズ:31×21.5cm